給与計算に必要なルールとは?
給与計算は、労働基準法/健康保険法/厚生年金保険法/雇用保険法…他、多くの労働社会保険関連法令を理解した上で行わなければ、正確な計算を行うことができません。
しかしながら、よく利用される知識と普段あまり利用されない知識とがあるように、給与計算を行う上でも、最低限必要となるいわば「核」となる知識があるものです。これから何回かに分けてこの基礎知識について確認していきます。
第6回の今回は、「割増賃金の計算の基礎から除外できる賃金」についてです。
割増賃金の計算の基礎から除外できる賃金とは…
割増賃金を計算する際の基礎には、次の1〜7以外のすべての賃金を算入する必要があります。逆に言えば、正しい運用を行えば1〜7の賃金について、割増賃金の計算の基礎から除外できることとなります。
原則… 基本給や諸手当をはじめ、すべての賃金を基礎に含める必要があります。
例外… 次の1〜7の賃金は除外することができます。
- 家族手当
ただし、家族の人数に関係なく一律に支給される場合等は除外することができません。
→詳細は、給与計算のルール7「割増賃金の計算の基礎から除外できる家族手当」へ - 通勤手当
ただし、実際の距離とは無関係に一律に支給されるものは除外することができません。
→詳細は、給与計算のルール8 「割増賃金の計算の基礎から除外できる通勤手当」へ - 住宅手当
その費用の多寡にかかわらず一律に支給されるものなどは除外することができません。
→詳細は、給与計算のルール9 「割増賃金の計算の基礎から除外できる住宅手当」へ - 別居手当
勤務上の理由などにより、扶養家族と別居を余儀なくされ、そのために生活費が増大するのを補うことを目的として支給されるものが該当します。単身赴任手当なども別居手当の一類型に該当する可能性があります。 - 子女教育手当
労働者の子弟の教育費を補うことを目的に支給されるものが該当します。 - 臨時に支払われた賃金
臨時的、突発的事由に基づいて支払われたものなどで、「結婚手当、出産手当、大入り袋」などがこれに該当します。 - 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
賞与、1か月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当などがこれに該当します。