給与計算に必要なルールとは?
給与計算は、労働基準法/健康保険法/厚生年金保険法/雇用保険法…他、多くの労働社会保険関連法令を理解した上で行わなければ、正確な計算を行うことができません。
しかしながら、よく利用される知識と普段あまり利用されない知識とがあるように、給与計算を行う上でも、最低限必要となるいわば「核」となる知識があるものです。これから何回かに分けてこの基礎知識について確認していきます。
第15回の今回は、「源泉所得税徴収時の税額表の適用」についてです。
源泉所得税徴収時の税額表の適用について
給与を支払うときに源泉徴収する税額は、その支払の都度、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求めます。
この税額表には、「月額表」と「日額表」と「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の3種類があります。
「月額表」を使う場合
「月額表」を使うのは、給与を毎月支払う場合です。
また、月や旬を単位にして支払う給与も「月額表」を使います。例えば、次の給与は月額表を用います。
- 1か月ごとに支払う給与
- 半月ごとや10日ごと、3か月ごと、半年ごとなどに給与を支払う場合
「日額表」を使う場合
「日額表」を使うのは、働いたその日ごとに給与を支払う場合です。
また、一週間ごとに支払う給与も「日額表」を使います。例えば、次の給与は日額表を用います。
- 日々支払う給与
- 日割りで支払う給与
- 月額表を使えない給与(例えば、週給の場合または臨時の人に14日分等の給与をまとめて支払うような場合)
「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使う場合
この表は、ボーナスを支払うときに使います。
しかし、ボーナスを支払う場合でも、「月額表」を使う場合があります。それは、前月中に支払った又は支払うべき給与がない場合とボーナスの金額が前月中の給与の金額の10倍を超える場合です。