社員10人~30人未満の会社では人事関連の業務も増えてきますので、「社長一人で回していくのは難しい」と考え始めるステージだと思います。
手いっぱいになりやすい人事関連の業務を効率よく回していくために、社労士を賢く使う方法を、できるだけ簡単にそして分かりやすくまとめました。
人事関連の業務量が増え、社長のみ、または兼務の方だけで業務を行う場合、手いっぱいになりやすい
このステージの会社では、社員の増加に伴い人事関連の業務量が急激に増えてきます。
専任の人事担当者がいれば違いますが、社長のみ、兼務の方だけではまさに手いっぱいな状態になりやすいでしょう。
- 社会保険・労働保険の手続きが以前より発生するようになり、とても面倒だ
- 給与計算人数が多くなり、また手当の項目も増えたため、チェックに時間がかかる
- 労働保険の申告、社会保険の算定基礎届、次から次とやらなければならないことが出てきて困っている
このような声をよく耳にします。
人事関連の業務は社員の手前失敗が許されないもの、不安を感じながら何とか回しているというのが多くの実態でしょう。
人事関連の業務を見直し、「社内で対応する業務」と「プロに依頼する業務」に区分するのがおすすめ
区分し、外部に依頼できるものは依頼することで、社内の負担を大幅削減でき、より本業に専念できるように
業務量が増えているのに、これまでのように全ての業務を社内だけで対応しようとする必要はありません。
区分を行い、社内で対応しなくてもよい業務をプロに依頼することができれば、社内の業務負担を大幅に削減することができます。その分、時間的な余裕が生まれ、より本業に専念することもできます。
人事関連の業務を区分する方法とポイント
1人事関連の業務は細分化できるので、細かく分けて、社内で対応できるか考える
人事関連の業務を細分化することにより、社内で対応する業務とプロに依頼する業務の区分けがしやすくなります。
細分化の例
給与計算の例
給与計算は、次の3つの業務に細分化することができます。
- 勤怠集計
(タイムカード集計) - 給与計算実施
(勤怠情報を取り込み、給与計算ソフト等で計算を行う) - 給与明細作成・配布
社会保険・労働保険の手続きの例
社会保険・労働保険の手続きも、3つの業務に細分化することができます。
- 個人情報の回収
(社員から個人情報の提供を受ける) - 申請実施
(申請書作成、添付資料準備、行政窓口へ提出) - 進捗管理
(行政窓口からの問い合わせへの対応、控え保管、保険証・離職票を社員に交付する)
就業規則作成の例
就業規則の作成も、3つの業務に細分化することができます。
- 現在の労働条件の洗い出し
- 洗い出した労働条件に法令違反や労務リスクが無いか確認する
- 労働条件を文書化し就業規則としてまとめる
2社内で対応する業務を決める際は、効率とメリットを考慮する
社内で対応する業務としておすすめなのは、次のいずれかに該当する業務です。
それほど面倒も感じておらず、今のところ十分回せている業務
プロに依頼すれば、費用がかかります。
面倒が無く、確実に対処ができているのであればあえて外注に出す必要はありません。
社内で対応する方が効率的な業務
社会保険・労働保険の手続きにおける「個人情報の回収」などはその一例です。
社員と直接接するのは会社であるため、外注先が個人情報を回収するのは容易ではありません。
会社の方であれば、ちょっとした空き時間や、面談の時間に情報回収ができます。
社内で対応することでメリットがある業務
給与計算における「勤怠集計(タイムカード集計)」などはその一例です。
勤怠管理システムを導入し勤怠管理を行うことにより、社員の労働時間をリアルタイムで把握することができるようになります。
「誰がいつ何時間くらい残業をしているのか」「残業をして成果が出ているのか」を、会社はデータとして把握し、チェックすべきです。
労働時間に対する成果、つまり「生産性」をより具体的に把握できるというメリットがあります。
3「プロに依頼した方が効率的な業務」は、プロに依頼する
ここまでの過程ですでに社内で対応する業務を決めていますので、それ以外の業務はプロへ依頼するか、何とか社内でできないか工夫(努力)をすることになります。
例えば給与計算業務であれば、
- 勤怠管理システムの導入はプロに手伝ってもらう。
- システム導入後は、毎月の勤怠集計をシステムを利用して社内で行う。
- 給与計算ソフトを用いた給与計算の実施から、給与明細の作成と納品まではプロに依頼する。
- 給与明細の社員への配布は社内で実施する。
のような、社内、外部への業務の振り分けが考えられます。
給与明細の配布については、スマホで見られるWEB給与明細を導入して、その配信までプロに依頼することができれば、より効率化が図れます。
プロに依頼した方が「効率的」「正確で確実」と思われる業務は、積極的に検討してもよいと思います。
いずれにしても、依頼する場合には費用がかかりますので、提示された費用と面倒や負担の軽減とを天秤にかけ判断することになります。
人事関連の業務には社員が10人以上になると必要になるものがあり、注意が必要
さらに、人事関連の業務には、社員が10人以上になったら対応しなければならないことが出てきます。必ず対応が必要ですので、それらの業務についても簡単に説明いたします。
就業規則の作成、届出が義務になる
社員が10人になると、注意しなければならないのは就業規則のことです。
社員の人数が10人以上になった時点で就業規則を作成し、管轄の労働基準監督署に届け出る義務が発生します。
この社員の人数には、パートタイマー、アルバイトなどの短時間勤務の方も含まれます。
これは場所ごとに人数が10人以上いるかが基準になります。例えば、本社(東京)と支社(静岡)という2拠点があり、東京に8人、静岡に6人在籍しているケースでは、全体では14人ですが、場所ごとに見れば東京、静岡ともに10人未満なので、この場合は作成・届出の義務は発生しません。
就業規則とは?
就業規則は「職場のルールブック」とよく言われます。
社員が守るべき職場のルールや労働条件の詳細を会社が定めるものです。
例えば、「労働時間、休日、休暇」「休職制度」「服務規律」「懲戒処分、解雇」「給与、賞与の扱い」などが書かれています。
就業規則が無いということは、職場のルールや労働条件を明文化したものが存在しないということですし、就業規則が有るけれども会社の実態に合っていないということは、誤った内容が職場のルールや労働条件になっているということです。
会社の実態に合っていて、労働基準法をはじめとする労働関連法令に準拠した就業規則を備えておく必要があります。
シャノアスであれば、各業務の一部のみを依頼することも、全部まるごと依頼することもできます。ぜひご相談ください。
シャノアスではご要望に応じて、人事関連の業務について一部又は全部まるごとお任せいただけます。
どの業務を依頼すると会社にとって良いのかといったご相談も、専門のスタッフが丁寧に対応しています。お客様の状況を詳しくお聞きし、「社内で対応した方が良い業務」「プロに依頼した方がよい業務」の区分けについて、具体的な助言をします。
プロに任せるべきか悩まれている段階でも構いません。ぜひご相談ください。
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