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定額残業代制度の有効性

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定額残業制とは?

残業代対策の一つの手法として「定額残業制」があります。雇用契約上、「月給は○○円、定額残業代手当は××円」とし、「定額残業代手当は、30時間分の時間外労働割増賃金として支給する」と取り決めてしまうのです。もちろん、労働者への十分な説明をしたうえで、対等な立場で契約を結ぶというプロセスを踏むことになります。この場合、30時間分の時間外労働割増賃金は支払い済みになるため、時間外労働が30時間を超えた分についてのみ加算して支払えばいいということになります。

手当の名目は「定額残業代手当」でも「業務手当」でも構いませんが、その手当に残業代が含まれていることを明確にしていきます。

裁判例からみる「定額残業制」

判例で見てみると「時間外労働手当を固定額(定額)で支払うことは、実際の時間外労働等によって算出した割増賃金に相当する金額が支払われている限り、必ずしも違法ではない」(関西ソニー販売事件 大阪地裁昭63.10.26)とされており、また別の判例でも「基本給に割増賃金が含まれているというためには1.割増賃金にあたる部分が明確に区分されていること2.法所定の割増賃金との差額を支払う旨が合意されていること、が必要である」(国際情報産業事件 東京地裁平3.8.27)と、きちんとルールを定めて行えば、割増賃金分を定額で支給することは違法ではないとされています。

「定額残業制」導入時の実務対応

「定額残業制」の導入には細心の注意を払わねばなりません。
就業規則、雇用契約書、賃金台帳などの形式面の整備はもちろんのこと、給与計算を行ううえでも注意していくことがあります。ルールを明確にし、そのルールに基づいた運用が行われていないと違法であると判断されかねないことになります。

導入に際しての注意事項

  1. 何の名目の手当に、何時間分の割増賃金が含まるのかを就業規則、契約書で明示すること。
    (つまり、割増賃金相当部分をそれ以外の賃金部分から明確に区別することができ、割増賃金相当部分と通常時間に対応する賃金によって計算した割増賃金とを比較対照できるような定め方がなされていなければなりません)
  2. 含まれるのは、「時間外労働分」の割増賃金なのか、「休日労働分」の割増賃金なのか、又は「深夜労働分」の割増賃金なのかを明確にすること。
  3. 実際の残業が賃金に含まれる時間(たとえば30時間)を超える場合は、その差額を支払うことを就業規則、契約書で明示すること。
    (つまり、実際の残業時間に対する割増賃金が、あらかじめ割増賃金分として区分した額(見込み時間)を超えた場合には、その超えた時間に相当する割増賃金を、その都度(月ごとに清算し)支給すること)
  4. すでに在籍している社員に対してこの制度を適用する場合には、不利益変更となるため個々の同意をとること。
  5. 賃金台帳上も割増賃金以外の賃金と明確に区分して記載すること。
  6. 基本給が最低賃金を下回らないよう注意すること。
  7. 退職金の計算が基本給を基礎としている場合、退職金の計算を「(基本給+定額残業代手当)×勤続年数」にするなど、不利益変更にならいよう対処すること。

定額残業制のデメリット

  1. 昇給など、賃金改定に際して残業単価が変更される場合には、その度に賃金に含まれる残業代を明示して再度雇用契約書を取り交わすことになります。
  2. 給与計算など事務的な作業が煩雑になります。

定額残業代をどの名目で支給するか

定額残業制は残業代を固定額として支払いますが、30時間分の残業手当を賃金のどこに含めるかが問題になります。例を出して解説します。

基本給に残業代を含める場合

たとえば基本給26万円の者に定額残業制を導入した場合、制度導入後は「基本給20万円+定額残業代手当6万円(残業30時間分)」と区分して賃金台帳に記さなければなりません。もらえる額は同じでも基本給が減るのは社員としては心地のよいものではありませんが、社員の合意を得ることができるなら、この方法で導入可能です。

各手当に残業代を含める場合

職能手当、技術手当、皆勤手当といった手当を支払っている場合は、これら諸手当に残業手当を含めることができます。いっそうのこと諸手当をひとまとめにして定額残業代手当として支払うことも検討に値します。基本給という、いわば本丸にメスを入れるよりは、社員の同意も得やすいでしょう。

年俸制に残業代を含める場合

定額残業制の導入を機に社員の給料を年俸制に切り替えることもあります。年俸制の場合は、原則として「年俸÷12」が1カ月分の給与となります。この1カ月分の給与から30時間分の残業代を計算し、賃金台帳には「基本給○○円、定額残業代手当××円」と記入します。

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