給与計算に必要なルールとは?
給与計算は、労働基準法/健康保険法/厚生年金保険法/雇用保険法…他、多くの労働社会保険関連法令を理解した上で行わなければ、正確な計算を行うことができません。
しかしながら、よく利用される知識と普段あまり利用されない知識とがあるように、給与計算を行う上でも、最低限必要となるいわば「核」となる知識があるものです。これから何回かに分けてこの基礎知識について確認していきます。
第12回の今回は、「1か月あたりの平均所定労働時間の算出」についてです。
1か月あたりの平均所定労働時間、その算出方法とは…
割増賃金の単価を計算する際に必要となるものに、「1年間における1か月平均所定労働時間」があります。
毎月の所定労働時間をもとに割増賃金を計算することになると、暦のうえで労働日数や労働時間が変動することになり、月毎に割増賃金の単価が異なってしまうなどの不都合が生じてしまいます。
このため、次のような1年間の総労働時間を12ヶ月で平均して用いることになります。
1年間における1か月平均所定労働時間数=
{1年間の所定労働日数(=365もしくは366)-所定休日}×1日の所定労働時間÷12ヶ月
具体例
基本給235,000円、役職手当8,000円、通勤手当15,000円
年間所定休日122日
1日の所定労働時間8時間
(365-122)×8÷12=162 …1年間における1か月平均所定労働時間
243,000÷162=1,500円 …1時間当たりの賃金
※1時間当たりの賃金に所定の割増率を掛けたものが、割増賃金の1時間当たりの単価です。