給与計算に必要なルールとは?
給与計算は、労働基準法/健康保険法/厚生年金保険法/雇用保険法…他、多くの労働社会保険関連法令を理解した上で行わなければ、正確な計算を行うことができません。
しかしながら、よく利用される知識と普段あまり利用されない知識とがあるように、給与計算を行う上でも、最低限必要となるいわば「核」となる知識があるものです。これから何回かに分けてこの基礎知識について確認していきます。
第11回の今回は、「雇用保険料額と控除のタイミング」についてです。
雇用保険料額と控除のタイミング
雇用保険料は会社と従業員(被保険者)がそれぞれ保険料を負担することになりますので、給与からは従業員負担分を控除することになります。
労災保険と雇用保険を合わせて「労働保険」と言います。 労災保険については、事業主が全額負担するので、従業員の給与計算において保険料控除は行いません。給与から控除する雇用保険料の額は次の算式を用いて、毎月の給与支給総額をもとにその給与支払の都度控除します。
給与支給総額 × 雇用保険料率(被保険者負担分)
給与支給総額には、一部の特殊なものを除き従業員に支払ったもの全てが含まれます。よって、当然に通勤手当や住宅手当等もこの中には含んだ上で計算をします。また、毎年4月1日の時点で64歳以上の被保険者からは、その年度の雇用保険料が掛からなくなります。
円未満の端数については、被保険者負担分の端数が50銭以下の場合は切り捨てし、50銭1厘以上の場合は切り上げして1円とします。